高秀牧場は自然の資源を無駄にせず、再利用し循環させていく「循環型酪農」を実践しています。 「BM小清水」という微生物を混ぜた独自の飼料を使用し、その牛の糞尿を堆肥・液肥とし、化学肥料を使用せず、牧場にある資源を再利用しています。 その堆肥を地域の農家さんに分けたり、牧場内で牧草・米・食用菜の花・野菜等の栽培も行ったりしているそうです。 千葉県内でもあまり例のない牧場であり、町の活性化と食の安全に貢献しています。
チーズ工房でチーズを作るのは、チーズ職人の吉見さん。 吉見さんがチーズをつくるようになったきっかけは、友人のパーティーで食べたブルーチーズが美味しくて忘れられなかったことがきっかけだそうです。その後、チーズの世界と歴史の深さに感銘を受け、本場のチーズ作りを見たい一心で、フランスへ渡りました。
フランスのオーベルニュ地方で修行をし、フランスのチーズの種類の多さと美味しさと安さに驚き、さらにチーズの世界で修業を積みました。 帰国後、チーズの熟成士として北海道に渡ります。その後、地元千葉県の高秀牧場でチーズ工房職人の募集をしているところに、吉見さんが巡り会ったのです。 牧場主の高橋さんが、かつてより開きたかった「チーズ工房」。 高橋さんは食品加工、流通まで関わる第6次産業を目指しており、チーズ工房もその一環でオープンしたかったそうです。 将来的には直売所やレストランも・・という夢膨らむお話も伺うことができました。 高秀牧場からまだまだ目が離せませんね。
チーズの原料となる牛乳の味と鮮度は、チーズの出来に大きく影響します。
チーズづくりには、チーズを仕込むその日の朝に搾った新鮮な牛乳を使用していているそうです。 牛舎はすぐそばにあるので新鮮そのもの。 牛たちの餌には遺伝子組み換えの原料を含まない「Non−GMO」のもの、さらに収穫後農薬散布をした飼料を使わないPHF(ポストハーベストフリー)を徹底しています。寝床となる藁も毎日取り換えるなど、こだわりの中で愛情いっぱい育てられた元気な牛たちの世話にも気を配っているそうです。
吉見さんのおすすめは「いすみの白い月」。 食パンはもちろん黒糖パンと相性が良い様です。他にもヨーグルトのように爽やかな口当たりが特徴のフレッシュチーズには、ご近所の農家さんが丹精込めて育てたブルーベリーソース、いちじくソース、「BM小清水」(微生物)入りの飼料を食べた牛たちの堆肥で育ったリンゴのソースなどをかけて販売しているものがあります(季節によってソースが異なります)。
地元で育てられたものや牛たちの堆肥が育てた作物を頂けることは本当に贅沢なことでもあり、本来の食のスタイルというものを思い起こさせてくれるものだと感じました。
チーズづくりの魅力を尋ねると「チーズは世話をかければそれだけ美味しくなる」。そこが魅力だそうです。 まるで子育ての様ですね。 手間暇と愛情をかけるとチーズも応えてくれるのですね。 将来的にはヤギを飼ってチーズをつくりたいと夢を語って下さいました。 遠方より買いにくる方も多い中、地元の方にももっと知ってもらい食べてもらいたいと話す吉見さんの表情はとても輝いて見えました。
高秀牧場 チーズ工房 住所:高秀牧場 チーズ工房 TEL:0470-86-2131 営業時間:10:00〜15:30 定休日:木曜日 HP:http://www.takahide-dairyfarm.com/ E-mail:info@takahide-dairyfarm.com