地域での「つながり」の大切さを知ったこの1年、2年目はもっと活発に
磯木さんの工房横には、小さな家庭菜園があります。「これがケーキの仕上げに欠かせないんですよ」そう言って指を指した先に育つのは、冬を越えた、立派な葉のレモンタイム。ケーキに添えたり、香り付けとして活躍するハーブです。
他にも、ケーキを彩るイチゴやラズベリーも栽培中。自給自足を目指しているのかと聞くと、こう返事が返ってきました。
「ちょっと欲しい物を収穫できるくらいがいい」、控えめな言葉の背景に、地域のパティシエとして駆けてきたこの1年で感じてきた、ある思いがあります。
「この街には、いろいろなことのプロがいます。全て自分でというのではなく、信頼できる方にお願いすることで繋がりが広がるし、その繋がりにこそ豊かさを感じます」。
磯木さんがケーキを販売する時に使う木製のケース。これを作ったのは、いすみ市内に住む大工さんです。ケースの装飾、土台、ケーキと共に中に置かれるドライフラワー、他にも、軒先に置かれる看板の飾りつけ、そして、取材当日、着ていたワンピースの首元に輝くブローチ。これら全てが、過去に参加したイベントで知り合った出店者さんたちが、腕によりをかけて作った作品たちです。
「仲良くなった出展者の方々が、自分のケーキを買ってくれる。私もみんなの作品を身に着けて、出店者どうし紹介し、紹介しあえる、そんな関係を築きたいと思うんです」。
磯木さんが各地のイベントなどに出店する時、その持ち物の数はとても多いそう。
「ケーキに興味がない人でも、作家さんの作品に足を止めてくれる時もあります。そこで、紹介すれば、その作家さんのブースに足を運んでくれるかもしれません。話しているうちに、ケーキにも興味を持ってくれたりすることもあります。会話のきっかけですね」。
磯木さんが地域との「つながり」を強く意識するようになったきっかけは、茂原市で「コーヒーくろねこ舎」というカフェを営む、今野もとこさん(下写真左)との出会いでした。
意気投合した2人は、カフェユニット「tomo to co(トモトコ)」を結成。各地のイベント、1dayカフェなどに一緒に出店し、精力的に活動しています。
「イベントの情報提供、他の出店者への紹介、いろんなことをしてくれました。もし一緒にやっていなかったら、私もこんな多くの関係を築けなかったと思います」。
そして魅力的だったのが、他の出店者とのつながりを大切にする姿でした。その背中に、自らが進む道が広がり、1年を迎えました。
「今年は土日両日とも出店できるようにしたいです」、そう話す磯木さん。 工房の厨房には、オーブンを1台増やし、仕込みに1日かかるというスイーツをこれまで以上に作れる環境を整えています。
2年目を迎えた「Another Belly Cakes」。 暖かい日々が増え、屋外でのイベントも増えるこの季節。磯木さんのケーキを食べに、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
Another Belly Cakes
電話:080-3607-9926
メール:another.belly.cakes@gmail.com
HP:http://anotherbellycakes.wix.com/rice
Facebook:https://www.facebook.com/anotherbellycakes/
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