イベント案内癒し・パワスポめぐり自分生活@いすみスタッフオススメ  得  情報
いすみつけむすびISUMIX Lifeいすみ暮らしお役立ち情報
自分生活@いすみ
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
まきべ〜のおでかけ日記
いすみライフマーケット
NPO法人 いすみライフスタイル研究所

自分生活@いすみ

第3回
楽園“のり島”作り&波乗りエンジョイライフ

文章:大花慶子 写真:吉野桂司
---
小幡範光さん(41才 千葉県八千代市出身 セルフビルダー・輸入雑貨販売・旅サーファー)
猫の「ちょび」(推定5歳メス)
ブログ:のらふら http://noranori.exblog.jp/
 
---

今回は、自宅を手作りしながら海辺の生活を楽しむ、小幡範光さんのご紹介です。

田園の中にぽっかり浮かぶ、手作りの楽園「のり島」

小幡範光さん大型電気店がある128号線の国道沿い。
1本奥に入ると小さな美術館がひっそりとたたずみ、牧歌的な田園風景が広がっています。
その美術館の隣に、南国の植物が茂っているちょっと不思議な建設途中の家が見えたらそこが「のり島」。
 
地域の人々やサーファー仲間から「のりさん」の愛称で親しまれている小幡範光さんの住んでいるこの場所は、彼の大好きな南の島をイメージしてデザインされ、「のり島」と呼ばれています。
 
ここは、のりさんの家であり、気の合った仲間が集う場所であり、作業場であり、リラクゼーションマッサージも受けられる不思議な空間なのです。
今回はこちらの「のり島」にお邪魔し、小幡さんのライフスタイルをお伝えします。

---

のり島全景こちらが「のり島」の全景。一瞬立ち止まって、「えー!これ全部全部一人で建てたの〜?」と思わず絶叫してしまうかも。
 
この敷地は180坪、当時坪3万円(整地代込)で購入しました。
家を作る材料費は約500万円。人手を必要としないツーバイフォー工法を取り入れています。

クラブハウスとバスルーム棟
上:白い壁のクラブハウスと茶色の壁のバスルーム棟。
 
右:クラブハウスは寝室と、友達や家族の宿泊施設として機能しているそう。
 クラブハウス内部
---
母屋は2年前に、漏電が原因の火事で全焼。
自らの手作業でがれきの撤去を行い、現在のりさんは、焼け残った2棟の間に作った仮設リビングで生活しながら、母屋を再生しています。
全焼した家
全焼した母屋(「のらふら」より)
 瓦礫の山
仲間達と瓦礫の片付け(「のらふら」より)
母屋内部こちらは再建中の母屋。3LDK+ロフト(約100m2)の広さで、完成間近なようです。
リビング  ロフト
左:ロフトからリビングを見下ろしたところ。
上:ロフト部分。剥いた木がいい味出してますね。
デッキ現在作業場になっているこちらは将来カフェ&バーになる予定のデッキ。
---
「のり島」は、近くの海に流れ着いた流木をさりげなく取っ手に使ったり、サーフボードを入れる小屋の壁もいすみ川の砂を混ぜて塗ってみたり、近くの材木屋さんから出た不要な木材を使ったりと、セルフビルドならではの工夫がいっぱい。
 
これから露天風呂も作るとか、夕日がきれいに見えるデッキを作るとか。
キラキラと目を輝かせて家を作っている話を聞いていると、こちらもワクワクしてきました。
大工作業中ののりさん
大工仕事中ののりさん。
 のりさんのバイブル
のりさんのバイブル

のちょびおっと、のりさんの家族をご紹介するのを忘れていました!猫の「ちょび」(メス推定5歳)ちゃん。

もともとは野良猫だったのですが、何度追い払ってものりさんの家に遊びに来るようになり、ついに友達になってしまったとか。猫嫌いののりさんが唯一可愛がっている猫なのです。

「のり流」海辺のライフスタイル

のりさんが岬町に移住してきたのは11年前。
20才からはじめたサーフィン好きが高じて、「海の近くに住みたい」と千葉県八千代市から移住しました。
いすみを選んだ理由は、「海だけではなく、山も川もあって自然が豊かなところ。人々が素朴で感じがよかった」から。

最初は賃貸で海の近くに住んでいたそうですが、180坪の現在の土地を手に入れ、自分の思い通りの家を作ることになりました。

移住の前の職業は、理容師、飲食店経営、ハワイアンジュエリーショップ経営など。
小さい頃から冒険好きで、気になったものならなんでもやってみたかったとか。

現在では、雑貨輸入販売、内装請負、サーフィンショップ、宿泊運転付ガイド、マーケットなどへの出店、整体の仕事、日雇い労働などの現金収入を得ながら、家作りとサーフィン中心の生活を送っています。

輸入雑貨  一宮のカフェ
(写真は九十九里ドライブインで扱っている輸入雑貨と、内装を手掛けた上総一ノ宮駅前のカフェ)

家を作りはじめたきっかけは、「自分が住みたいと思う家がなかったから」という単純な理由。

もともとモノ作りは好きで、自分のお店の内装などは手がけていたようですが、岬町で家探しをしていた時に、タッチの差で手に入れ損ねた物件があり、それを超えるには「自分で作るしかない」と決心したようです。

「大工に弟子入りしたわけでも、建築の勉強をしたわけでもないのに、一人で作るのは大変だったのでは?」と聞くと、「ホームセンターで聞いたりしながら手探りで作った。基礎や電気工事などはプロに来てもらって一緒にやりながら覚えた」とのこと。

頼りにしたのは「日曜大工でわが家を建てた」という本1冊。
仲間や知り合いの大工さんの協力を得て、ここまでたどり着きました。

波乗りは「世界の平和」を祈って

とにかくのりさんは、サーフィン中心の生活。いい波を求めて年に2カ月は世界へ波乗りトリップに出かけます。その数60回以上とか!?最近では、オーストラリアとインドネシアへ。

波乗り仲間の家や安宿に泊まりながら、現地の生活を楽しむようです。
そして、そこで仲良くなった彼らが日本に来た際には、「のり島」のコテージに滞在してもらいながらいすみの生活を楽しんでもらう。そんな気持ちのいい仲間が、世界中に散らばっているそうです。

サーフボードとのりさん  サーフボードとのりさん

ところで、のりさんは長年サーフィンをやっているので実力はすごいと思われるのに、なぜかコンテストには出ないそう。

「人と競うことより、旅をしてその土地の波と遊ぶことが好きなんだよ。自然と対話とか調和とか、そういうものを求めている」そんな答えが返ってきました。

自然を通して目に見えないものに畏敬の念を持つのりさん。実は、のりさんの祖父が神職さんだったこともあって、ご縁のある近所の玉崎神社では、イベントごとに奉仕しているそうです。

近所や仲間から慕われる理由が、少しだけわかってきました。

お金に縛られない自由な生き方を求めて

まずは家が完成したら、少しずつ土地を購入し、賃貸用に家を作っていきたいそうです。
そして、ゆくゆくは、船を手に入れ、世界をまわり、気に入った波を見つけてサーフィン三昧の生活を送りたいそうです。

サーフィン中ののりさん

そして、「俺のように何も囚われずに自由に生きていける道があるんだよ」と、世界へ自分のライフスタイルを発信したいそうです。

のりさんの現在の年収は、200万円ほど。
確かに決して高くはないけど、毎年1年のうち2カ月は海外で生活しています。
日本にいても、自分の思い通りの家を作りながら、波に乗り、仲間達と海辺の生活をのびのび楽しんでいます。
なんと贅沢なのでしょう!
そんなライフスタイルは都会ではできないこと。
のりさんの生き方は、まさに田舎で自分の理想を追求する「いすみライフスタイル」なのでした。

Copyright (C) NPOいすみライフスタイル研究所 all rights reserved.