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まきべ〜のおでかけ日記
いすみライフマーケット
NPO法人 いすみライフスタイル研究所

自分生活@いすみ

第14回
旅の軌跡を編んでいく - TRIPTRACKS主宰・関田さんの自由満喫ライフ

文:重野藍子 写真:関田裕明、関健作
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関田裕明さん(マクラメアーティスト、写真家、TRIPTRACKS主宰)

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「中学生の時に、交換留学プログラムでオーストラリアに滞在したんです。海外への旅はそれが初めてでしたね。」

関田さんがこれまで訪ねた国はオーストラリア、ニュージーランド、韓国、アイルランド、ミャンマー、ラオス、インド、中南米などなど。

関田さん

アイルランドの歴史ある建物にファーストフード店が入っている話、ミャンマーで感じた昭和初期を想像させる街の雰囲気、オーストラリアで様々な国籍の友人たちと家をシェアして暮らした話。
関田さんが話す異国のストーリーはどれも興味深く、聞き入ってしまいます。

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マクラメとの出会い

関田裕明さんは岬町出身。現在も岬町に住みながら、TRIPTRACKS (トリップトラックス)という活動名でマクラメ編みアクセサリーの制作・販売をしています。

※マクラメとは・・・紐類を結びながらレース状にしていく手芸技法。アラビアが発祥と言われ、アクセサリー作りは世界各国、特に南米で盛ん。

自作アクセサリーをいくつか見せてもらいました。
何種類もの編み方を組み合わせて作っていくという技法の精巧さ、緻密さ、そしてワイルドでどっしりとした石。どれも買った人の「特別なひとつ」になりうる存在感です。

このマクラメ技法は、旅好きの関田さんが南米を旅していた時に現地で出会ったもの。

2011年に渡航した3か月間の南米旅行中、数ヶ所の街で見かけ、気になっていたそう。

マクラメ

帰国直前に「どうしても覚えて帰りたい!」とペルーのワカチーナという街で路上販売をしていた職人に頼み、教えてもらうことに。

「もう帰国まであと一週間ってとこだったから、必死で覚えました。写真を撮ったりノートにメモしたり。そして、最後の一日に首都のリマでマクラメの紐や天然石を買い集めて、帰りの便に乗ったんです」。

日本に帰ってからは、仕事の合間など時間を見つけてコツコツとマクラメアクセサリーを作りためていきます。

それから2年半、関田さんは職場を離れ、再び南米へ。
4か月間という長い期間中、南米の各所でマクラメの技術を磨きます。

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TRIPTRACKS活動開始 - 自分らしい生き方をマイペースに

帰国後は、“マクラメづくりと旅写真”のTRIPTRACKSとして本格的に活動をスタート。

今年(2013年)8月からは県内・県外の様々なイベントに出店するように。
「イベントに出るようになってからは、人の輪がどんどん広がっていくのを感じています。自分が作ったマクラメをしてる人が増えてるような気がする。イベントで人に会う機会が増えたからかな」。

イベント参加の関田さん
※イベントでの出店風景。
カラフルな色使いが南米を感じさせます。(撮影・関健作さん)

マクラメ製作道具
※マクラメづくりに必要なクランプと制作台

自分のペースに合った生き方をスタートさせたばかりの関田さん。
今では仕事とプライベートという感覚が無くなっているそう。

「今は休みらしい休みは決めていない。むしろ休みはないんじゃないかな。クランプがあれば世界中どこでもできるからね。毎日編み続けていても苦じゃない。仕事量は自分で決められるしね。」と言います。

世界中どこでもできるというマクラメ編み。だから、旅好きの関田さんは旅に出る時もマクラメの道具を持っていきます。夜の宿、昼の公園、長距離バスの中…。

「だからバッグパックの重さの半分はマクラメの道具、あとはカメラ。他には着替えがちょっと入ってるくらい」。
自分のペースで、家にいる時も旅をするときも。無理なく続けられるように。
そこに「自分らしい生き方をマイペースに」という『いすみ流』を感じました。

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ライフワークとしての旅写真

旅には、マクラメ道具のほかカメラも欠かさないそう。

「一番最近作ったフォトブックがこの『コロンビア人』っていうタイトル。
こっちは外房の風景を白黒で撮った『外房モノクローム』です」。

関田さんが取り出したフォトブックは、彼自身が撮りためてきた写真を一つの本としてまとめたものたちです。広がりある風景写真、人々の味ある顔、どれも関田さんの個性の出た、素敵なものばかり。

「ただ、旅写真を仕事にしたいと思ってはいません。マクラメは仕事として、旅写真は自分のライフワークのひとつとして続けていきたいと思ってます。もともと写真は大好きな旅先の空気感を忘れないための記録用として撮りはじめたもの。だから、最初は一眼レフじゃなくて小さなデジカメだったんですよ」。

「コロンビア人」
※フォトブック「コロンビア人」より

ペルーのイカ郊外
※ペルーのイカ郊外。
関田さんはこの近くの街で天然石採掘・研磨を経験。

ペルーの山間の村で
※ペルーの山間の村で。
女性たちが草木染をしているところ。

ペルー北部。木工家具工房にて。
※ペルー北部、木工家具工房にて。

ペルーの山間の村で
※ボリビアのラグーナ・コロラダ

フォトブックも販売用ではなく、友達たちに旅した国を紹介したいと思って作ったもの。
根本に「写真は自由に撮りたい」という気持ちがあるからだそうです。

「 自分の好きなものだけを好きなだけ撮りたい。旅の写真を撮る事は好きだけど、それを仕事にすると軸が変わっちゃう気がするんです」。

『好きなものを撮っている楽しさ』が伝わるからなのか、関田さんの撮る写真はどれも人を惹きつけるものがあります。

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「旅」と「いすみ」

仕事の原動力は「旅」。旅をする理由を聞きました。

太東埼灯台
※フォトブック「外房モノクローム」より。
太東崎灯台

「どこか別のところに住みたいというわけじゃなくて、僕にとっての『旅』は、異空間を楽しむこと。
全然違うヒト、モノ、コト。その違いや自分との共通点を見つける楽しみがある。
今後はマクラメのアイデアや材料を仕入れる事も考えながら旅先を歩くと思うけど、それは仕事って感覚じゃなくて、新たな旅の楽しみのひとつになるかなって思ってます」。

旅を続ける関田さん。いすみには落ち着く何かがあるから戻ってくるのだそう。

「ここに住む理由ですか?生活の中に海があることは大きいですね。サーフィンもやってるし。
それに、この場所には楽しい何かがある。人と人のネットワークもすごくいいと思います。
のんびりしてて、みんな自分のスタイルを持ちつつマイペースに生きてる。それでいてみんなが譲り合ったり協力し合ったりしながら暮らしている感じがありますね。
そういう雰囲気が好きだから、ここでの暮らしに戻ってくるんだと思います」。

旅を続けるからこそ、再発見できるいすみの良さもあるんだなと話を聞いていて思いました。

太東ビーチ
※フォトブック「外房モノクローム」より。太東ビーチ

旅から派生したマクラメの仕事。ライフワークである旅写真。

どちらも関田さんにとってTRIPTRACKS(旅の軌跡)、大事なものです。これからもたくさんの新しい何かを見つけに、マクラメ道具とカメラを携えて世界中を飛び回るんだと語る関田さんから、私もワクワクする何かをもらった気がしました。

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