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文章:市原なな代 写真:tass、江崎亮(1枚目のみ) 地図イラスト:大花慶子 |
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この夏(2010年8月6日)に、「今後10年の収支見込みを検証し、将来の収支均衡が可能」として存続が決定した「いすみ鉄道」。
それを記念し、今回は、いすみ市に生まれ育ち、地元といすみ鉄道を愛する当NPOメンバー、市原なな代が、大原駅から国吉駅までの沿線風景と、ぜひ途中下車して楽しんでいただきたい、小さなかわいい駅をご紹介します。 |
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いなかの風景の中をのんびり走る、いすみ鉄道
いすみ鉄道は、千葉県房総半島のいすみ市から大多喜町までを走る第三セクターのローカル線。
JR外房線大原駅で乗り換え、始発の大原駅から終点の上総中野駅まで14駅、営業キロ数26.8km。非電化、単線のかわいい鉄道です。
上総中野駅でJR内房線の五井駅まで走る小湊鉄道と接続していて、房総半島を列車で横断する事ができます。
最近では、「ムーミン列車」として親しまれるようになりました。
いすみ鉄道の車窓からは、日本の原風景、「The いなか」と言っていいような懐かしい風景を見ることができます。
空気もおいしく、ただ乗っているだけでもリラックスして、良質な「癒し」を得ることができます。 |
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そして、いすみ鉄道を楽しむには、途中下車して何度でも乗り降りできる、1日乗車券(1,000円)がお勧めです。
ぜひ、気になった駅で途中下車して、ふらっとあたりを散歩してみてください。
トンボを追いかけていた、小さい頃の記憶が蘇りますよ。 |
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おいしいお米が自慢の田園地帯を走る
西大原駅あたりから、一面、田んぼの風景が広がります。
この辺りの土壌は、粘土質でとても粘りがあり、マグネシウムを多く含む、お米作りに適した良質な土壌です。
夏の夜の温度も低く、お米をゆっくりと太らせる事もでき、お水もきれいなので、それはそれはキラキラとふっくらとしたお米が実ります。
粘りと、甘みがあり、冷めてもおいしい「いすみの米」は、近くの直売所などで購入できます。
直売所URL http://www.isumi-kankou.com/chokubai.html
8月下旬から9月上旬は、稲刈りの光景に出会えます。 今は機械で行いますが、昔は全て人力でしたから想像しただけでも、並大抵の事ではなかったことでしょう。 どうですか?この黄金色に輝いた稲穂!!!
栄養も満点、ぜひ一度「いすみのお米」食べてみて下さいね。
左奥に、小さく走る「いすみ鉄道」。やっぱり、黄金色です。 |
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春は桜と菜の花でいっぱい - 新田野駅
そして、なな代がとくにおすすめするのは、新田野駅です。
この駅のホームからは、山、畑、田んぼ、ポツンポツンと民家の屋根が見え、自然の音、香り、風を感じることができます。
周りに視界を邪魔するものが何もないので、大きく広がった空が自分をふんわりと包んでくれます。
青い空に浮かんだ白い雲の行き先を想像するのも、なかなか心地よいですよ。
春になると、ホームの周りに菜の花が咲き、蝶がたくさん舞います。
少し歩いたところに、桜並木があり、満開の頃は桜のトンネルができます。その中をくぐり、ひょっこり顔を出すいすみ鉄道は、なかなかかわいいですよ。
このあたり、まるで昔話の「花さかじいさん」がほんとにいるのではないかと思えるほど、優美で心地よい風景が広がっています。
この駅で下車して、次の電車が来る1時間ほどをゆっくり過ごしてみはいかがでしょうか。 あぜ道を歩くと、サクサクと草がなり、風が話しかけてきます。
大切な何かを、聞きのがさないよう耳を澄ましてみて下さいね。 |
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ムーミンの仲間たちに出会える - 風そよぐ谷 国吉駅
大原駅から4番目に、「風そよぐ谷 国吉駅」に到着します。
そこでは、いすみ鉄道の車体に描かれているムーミンの仲間たちがお出迎えしてくれます。
このお人形たち、と〜てもよく出来てますでしょ。
こちらは当NPOメンバーでもある、奥村雄司の手作りなんです。
本業はシャッター屋さんですが、仕事が終わって夜中まで、睡眠時間を削って、せっせ、せっせと人形などを彫っているのです。
とてもシャープな感じの「いすみ男児」なんですよ。 |
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彼のふるさとを思う気持ちはとても大きくて、少しでも乗降者の数を増やして駅の周りを盛り上げようと、竹のドームを作ったり、国吉駅ホーム裏の原っぱに、せいたかあわだち草で大きな迷路を造ったりと、私たちを素敵なアイディアで楽しませてくれます。 |
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迷路の中から、かわいいフローレンが姿をあらわしたり、心憎い仕掛けが随所にあって、楽しいですよ。
今にもしゃべりだしそうなほど、ハートを感じるムーミンたちのお人形。彼の愛情がたっぷり注がれているからですね。
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ここには、「なんにもない」が、いっぱいあります
いすみ鉄道は自然以外、何もないところを走ります。周りは、畑、田んぼ、野原、林ばかり。
都会の鉄道に見られるような風景は見られません。もちろん駅前にもほとんど何もありません。
でも、「なんにもない」ことが、一番の魅力であり価値なのです。
山も、空も、空気も気持良いところ。
深呼吸したら、「元気印」間違いなしです。
今、いすみ鉄道の夏は過ぎ…秋は深まりつつあります。
ふらっと出かけてみてはいかがでしょうか。
きっと何かに出会えますよ。 |
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いすみ鉄道株式会社
〒298-0216 千葉県夷隅郡大多喜町大多喜264
TEL 0470-82-2161
いすみ鉄道公式サイト http://www.isumirail.co.jp/
いすみ鉄道ファン http://blog.goo.ne.jp/isumitetudo/
いすみ鉄道社長ブログ http://isumi.rail.shop-pro.jp/ |
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