最初に玉崎神社に参拝したのは、東京からいすみに引っ越して間もなく、ご近所さんに連れて行ってもらったのがきっかけでした。 「たまさきじんじゃ」と聞いて、てっきり上総一ノ宮にある「玉前神社」を思い出したのですが、いすみ市にある方は「玉崎神社」で、上総一ノ宮の玉前神社の本宮にあたるそうなのです。 そして、なんと春分・秋分の日に太陽が通るレイラインの入口にあたるのだとか。つまり、「天道の神社」なのだそう。 まず、春分の日と秋分の日がなぜ日本にとって大事なのかというと、この日はどちらも昼間と夜間との時間が等分になり、陰と陽のバランスが取れたエネルギーが流れるそうなのです。だから、自然の一部である人間の身体の気の流れもバランスがよくなるという効果があるそうです。 その春分・秋分の日の太陽の軌道を「天道」または「レイライン」といい、日本列島には神社や聖山(寒川神社・七面山・富士山・元伊勢・出雲大社)などがあり、その場所にはより特別なパワーが注がれていると言われています。 こちらが神社にあった地図の写真。 何を隠そう、私はスピリチュアルスポット巡りが趣味。 2年前には富士山や七面山に登ったし、出雲大社にも行ってきたばかり。その入口はてっきり一宮町の玉前神社かと思っていたら、なんと、近所の玉崎神社にあるとは! これはぜひとも行かなくては! 着いてみると、うっそうとした森に囲まれた小高い丘にある小さな古いお社で、参拝客が他にだあれもいない。看板もないし、まるでこれまで隠された異界のよう。 マスコミにも取り上げられ、大勢の人が大勢参拝する神社が「表の神社」なら、さしずめここは「裏の神社」。 拝殿に向かって右にある「琴平神社」と書かれたサークル状の神社は、沖縄のウタキ(古代からの祭祀場)を思わせる神秘的な雰囲気。 「ここが実はすごいパワースポットで、霊能者やヒーラー達がこっそり訪れて、パワーチャージしていく」とのこと。 なんと!私は東京にいた頃、明治神宮の清正の井やら皇居やら、パワースポットと呼ばれるところは行ってみたけど、こんなところにもあるなんて!…いすみ市って実はすごいところ?? さっそく神職さんにご紹介していただき、お話を聞いたりして、ますますその確信を深めていきました。
まずは神社の歴史。 玉崎神社は、物部氏一族が創建した歴史ある古社で、古事記・日本書紀にその名が記されています。かつては、物部氏が上陸した和泉浦にあったそうです。 そして、かつては、安房神社・香取神宮と並んで、房総三大神社と呼ばれたようです。 中世は万木城や周辺のお城の祈願所であったので、侍も多く仕え、学問所もあったとか。 日本四大人、国学者の平田篤胤翁(1776年-1843年)が逗留したこともあります。 現在でも、代々物部氏直系の神職によって、いすみ・一宮地区の「上総十二社祭(上総はだか祭)」で知られる十二社の本宮として続いています。 現在「大原はだか祭」も、もともとは、徳川時代、玉ア神社の神輿を最初に押日の八幡神社に下げ渡し、その神輿が大原に渡ったことが起源となったのですって。 こんなお話を伺うと、いすみに住むからには、まずはこちらの神社にごあいさつに行った方がいいんじゃないかしら!?と思ってしまいます。 実際、私もこちらの神社とご縁ができてから、たくさんの仲間に出会え、仕事にも恵まれ、ストレスだらけの東京生活とはうってかわって気ままなスローライフを送っています。 御祭神は、こちらの3柱。 豊玉毘売命(トヨタマヒメノミコト) 火遠理尊(山幸彦)(ホオリノミコト) 鵜葦草葦不合命(ウガヤフキアエズノミコト) 御祭神の豊玉毘売命(トヨタマヒメノミコト)とは、『古事記』上巻、山幸彦と海幸彦神話に登場する女神。海神・大綿津見神(海若)の娘だそう。 つまり、海の神様なのですね。そんなわけで、サーファーさんや、漁師さんがよくお参りにいらっしゃいます。 ちなみに、上総一ノ宮の玉前神社の御祭神は玉依姫命で、豊玉姫命の妹さんにあたります。