12月9日(木)、市内で環境教育に関わっておられる先生方との意見交換会を房総野生生物研究所と共催で行いました。
この日は、長者小学校、東小学校、中根小学校、夷隅小学校の先生5名にご参加いただきました。
また、いすみ市農林課の職員の方、さらにはこの会合に興味を持たれた千葉県循環型社会推進課の職員の方、NPO環境パートナーシップちばの方々が参加されました。
前半は、房総野生生物研究所で作成しているESDプログラム「100年変わらないもの探し」について、各小学校で実施するための意見交換を行いました。
ここでは、
- 6年生の総合学習の最初にSDGsが来ることから総合学習の授業に盛り込むことは可能。
- 学校の現場は、年間授業計画で年間プログラムが決まっているので、新年度の計画の中に1~2時間くらい入れることは可能かもしれない。
- 「100年」は長すぎるかもしれない。「50年」とか、子供たちが実感できるタイムスケールの方がよいかもしれない。
- 「変わらないもの」よりも「残したいもの」にフォーカスした方が子供たちが考えやすいかもしれない。
といった意見が出ました。
後半は、いラ研がテキスト「いすみの田んぼと里山と生物多様性」づくりなどで協力した今年度の「教育ファームの振り返り」として、各小学校の先生の意見・感想を聞き、それに授業担当をした市農林課の鮫田晋さん、房総野生生物研究所の手塚幸夫さんがコメントを入れるというかたちで行いました。
ここでは、教育ファームについて、各小学校の先生方から以下のような感想をいただきました。
- 中根小学校:今年度、はじめての取り組みだったので、どのように進めるか、どうなるのか不安だったが、子供たちが給食に使われている有機のお米に興味を持ち、自分たちが給食で食べている米を自分たちで作るという体験をできたことは、ありがたかった。
- 夷隅小学校:毎年行っているため、5年生で米作りをやることは4年生もわかっていて、楽しみにして5年生に上がってくる子がいた。また、お米だけでなく、給食で使う有機野菜の収穫体験も授業に加わり、地域を体験して知る機会が増えたことはよかった。コロナ禍で地域や自然体験の機会が少なくなっていたので、それも貴重だった。
- 長者小学校:今年度で2年めとなる学校で稲を育てる体験を実施。稲はダンべと言われる魚類を陸送するための四角い大型ポリタンクで育てた。田んぼではなかったが、それでもメダカが発生したり、稲に病気が出たり、いろいろなハプニングが起きて、子供たちの貴重な学びの場となった。さらに、農業から漁業・水産業へと広げると関わる地域の人たちも増え、子供たちの地域を学ぶ場も広がると思う。
- 東小学校:昨年度に続き、今年度もバケツで稲を育てた。教室の窓の下にあるので、カエルの大量発生など、毎日子供たちが稲の生育やハプニングなどを体験できてよかった。
意見交換会後、市の農林課からは、夷隅小ではじまった教育ファームが他の小学校にも広がってきていることがうれしい。豊かな地域体験をし、地域や地域の人を見る目を育てて欲しい、地元の農産物を支える大人になって欲しいという意見が出ました。
県の循環型社会推進課からは、食に注目して環境教育につなげていることが、いすみ市ならではの取り組みとして面白い。千葉県には北部に大きな農業生産地があるので、県全体としてどうするのか、考えてみたいという意見をいただきました。
また、環境パートナーシップちばの方々からは、地域の大切さを子供に体験してもらうこと、学校の中で体験をやれることが貴重だという意見をいただきました。
市の教育ファームや学校給食の有機食材化を、民間の立場からサポートしている私たちいラ研としても、取り組みが市内に広がっていくこと、県や他地域の方々に評価していただけることは、とても励みになり、また、ありがたくもあります。
(えざき)
※この意見交換会は2021年度地球環境基金助成金の助成を受けて実施しました。
※このブログの記事は2021年度地球環境基金助成金の助成を受けて作成しました。
※いラ研は、環境保全活動と地域資源の循環促進など、SDGsを視野に入れたまちづくりに取り組んでいます。
投稿日時 : 2021年12月10日 20:53
カテゴリー :
SDGs,
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地球環境基金