【地球環境基金活動報告】2019年2月10日:獣害対策勉強会を実施しました
2019年2月10日(日)、荻原区古屋谷地区集会場で獣害対策勉強会を実施しました。
地球環境基金の助成を受けて平成28年度より取り組んでいる夷隅川流域の多様性豊かな生態系と環境の保全活動の一環として、これまでイノシシを中心とした獣害対策勉強会を開催してきました。
これまでの取り組みを、改めて振り返ると以下のようになります。
1.当時の市の担当者と情報交換しながら平成28年度は峰谷地区と新田野生島地区で勉強会を実施しました。かたちとしては、いすみ市が取り組んでいる「獣害に負けない集落作り」を市民の側から側面支援、連動するような取り組みになりました。
この2地区はこの勉強会での知見をもとに、翌平成29年度の市の獣害対策助成事業「獣害に負けない集落作り」に参加し、集落に電気柵を導入するなど対策を取りました。
2.新田野地区の場合、勉強会で作成した「出没・被害マップ」をもとに電気柵を張った結果、集落でのイノシシによる被害をゼロにすることができ、本勉強会が当初から目的としている、集落ごとに守ることに成功しました。
3.平成29年度は、市の獣害対策の充実を受けて、施策と重複しないよう少し距離をとって集落で基本的な知識を学習することに重点をおいて進めました。いすみ市の大井地区と造式地区で実施。さらに御宿町からの希望もあって、御宿町の実谷地区で実施しました。
今年度も、継続して実施する計画でいましたが、市の方でさらに獣害対策を力を入れはじめ、専任のスタッフを3人に増やすなど、房総の自治体では類を見ない手厚い体制を取るようになったため、市の施策の邪魔にならないような実施が求められるようになりました。
そこで、まず、イノシシ対策に関しては、改めて小さな集落できちんと基礎知識を学習することにしました。
今回勉強会を開催した荻原区古屋谷地区は、ICEBA国際会議での「日韓田んぼの生き物調査交流会」の舞台になった田んぼがある地域です。
この地区の田んぼにはすでに電柵が張られ、イノシシへの対策は取られてはいるのですが、防護の強度をもっと上げたいということで、集落の人たちに集まってもらうことになりました。
今回も、講師を仲谷淳先生(中央農業総合研究センター)にお願いしました。
先生の方針で、座学だけではなく、現場に即した知識や対策方法をお伝えしたいということから、勉強会の前に時間を取っていただきて、現地視察をしました。
視察には、地区の区長さんや区の取りまとめ役の方々、そして、この地区の猟友会メンバーにも立ち会っていただき、電柵の貼り方、罠の仕掛け方などを確認し、アドバイスをいただきました。
田んぼのあぜ道だけでなく、民家の庭先など集落のあちこちに、イノシシが掘り返した跡がありました。しかも、最近できたものとのことでした。
イノシシにやられて続けるのをやめた田んぼも少なからずあるそうです。
その後、集落の方々に集まっていただき、勉強会を開催しました。
内容は、
①イノシシという動物についてのきちんとした知識を身につける
②イノシシからの防護と捕獲についての知識を身につける
③集落全体で対策と捕獲に取り組むことの重要性を理解する
④集落で対策を立てるための「出没・被害マップ」の作成についての解説
についてお話しいただいた後、質疑応答というかたちで進み、特に質疑応答の場面では、現地視察の後だったので、かなり具体的に突っ込んだ話をすることができました。
こういう集落単位で集まった勉強会の場合、不特定多数の方々がたくさん集まる講演会よりも、知った人達同士ということで、話の内容も深くなりますし、集落での情報共有も効率良く、効果的に行われ、次の対策行動にもつながりやすくなります。
集まっていただた集落の方々も、会の終わりの方には、さっそくあそこはああしよう、そっちはこうしようと、具体的に話をされていました。
※この勉強会は平成30年度地球環境基金助成金の助成を受けて実施しました。
※このブログの記事は平成30年度地球環境基金助成金の助成を受けて作成しました。
※いラ研は、環境保全活動をはじめ、SGDsを視野に入れたまちづくりに取り組んでいます。
(えざき)