2月18日(日)、蔦谷栄一氏、仲谷淳氏を招き、「農的ライフスタイルデザイン勉強会」を千町保育所跡地で行いました。
遅くなりましたが、1か月ほど前のイベントのご報告となります。
2月18日(日)13時半から千町保育所跡地で「農的ライフスタイルデザイン勉強会」を行いました。
この勉強会は、地球環境基金の助成金を受けて実施しました。
里山里海の環境保全を行う啓蒙活動事業の一環として、里山里海の環境保全のためには農業の活性化はもちろんのこと、暮らしの中に農的な要素を加えていくことが重要ではないか、また、そのことが地域の魅力アップや活性化にもつながるのではないかという問題意識と仮説から行いました。
当日は、講師として、蔦谷栄一氏(農的社会デザイン研究所代表)、仲谷淳氏(中央農業総合研究センター)のお二人をお招きしました。
蔦谷さんには昨年2016年9月の勉強会で、我々から、
・耕作放棄地
・新規就農
・農家の流通体制づくり、都市部との接点づくり
・獣害被害
の4つのテーマについての知見をいただきたいということで一旦持ち帰っていただいたのですが、今回、その回答をいただきました。
また、仲谷さんには、今年度集落単位で取り組んだイノシシ対策の概要、イノシシの被害について、改めてお話しいただきました。
今回の勉強会は、参加人数が少なかったため、形式ばった講演形式はやめ、円卓会議のかたちで、お二人の先生方の話をきっかけにして、思ったこと感じたこと、気になったことなどをやり取りするかたちにしました。
蔦谷さんからの資料(一部抜粋)
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<基本テーマ>農と里山里海環境保全とライフスタイルをつなぐ
[課題についての基本的整理]
1、耕作放棄地をどうするか~海外も含めた事例、実践者との交流→地域資源としての活用
○水田利用のステップ
・米→酒米→米粉→飼料用米・飼料用稲→エタノール→放牧
○放牧
・畜政での位置付け
・多様な放牧形態:水田放牧、林間放牧、山地酪農
・中小家畜の活用
○その他
・体験農園等
・退耕還林
2、新規就農をどう呼び込むか~担い手の育成、受入の事例→農業・農村の魅力発現、経済的自立
○対応策
・法人化しての雇用(教育ファーム的運営)
・里親制度
・ビジネスモデルの確立
○現場からの主な声
・基本は家族経営、法人の雇用<徒弟・里親制度
・資金助成より自立支援
・「よそ者・若者・馬鹿者(変わり者)」の受入体制
・農地より家
3、農家の流通体制づくり、都市部との接点づくり~農業を生業にして成り立つためにどうしたらいいのか?→地域に対する誇り、地域コミュニティと地域内循環
○産地づくり
・差別化(横手・浅舞酒造のテロワールへのこだわり)
○消費者との直結―ICTによる情報発信と宅急便の活用、生協等との取引活用、CSA
○農商工連携
○地域自給圏(FEC)、市・フリーマーケット
○祭り、地域発見(ブラタモリ)
4、獣害被害~その対策→命をいただく、棲み分ける
○ジビエ
○様々なトライアル
○混交林
5、その他
→取組主体の形成、人づくり
○「協同労働」という取組み方
○あらたなコミュニティづくりと“バール”“カフェ”
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この日は、いろいろなイベントと重なり合い参加者が少なくて、残念でした。
せっかく遠方からお二人の先生に来ていただいたのですが、我々のPRの力が弱かったため集客が十分ではなく、とてももったいないことをしてしまいました。
今年度のこの事業は、3月19日のリバークリーンで終了したのですが、来年度も申請中で、もし申請が通りましたら、次はもっと効果的な集客、啓蒙活動を行いたいと思います。
蔦谷さん、仲谷さん、遠方からありがとうございました。
(えざき)
※このブログの記事は平成28年度地球環境基金助成金の助成を受けて作成しました。